令和5年度 研究活動報告(看護)

令和5年8月9日、星稜オーディトリアムとzoomのハイブリッド形式にて東北大学医学部保健学科同窓会総会が開催されました。

第1部の研究活動報告では東北大学大学院医学系研究科に在籍する大学院生3名による発表が行われました。

こちらのページでは、看護技術開発学分野 修士1年の鎌田若奈さんの研究活動報告をご紹介します。

私は、保健学科看護学専攻を卒業後、大学院保健学専攻看護技術開発学分野に進学しました。今年度の研究活動報告では、2023年6月に開催されました「第19 回日本褥瘡学会東北地方会学術集会」で発表した内容をご報告させていただきました。日本褥瘡学会東北地方会は、東北地方における褥瘡や創傷管理に関する医療の向上と充実に貢献するために継続した活動を行っている学会です。第19回学術集会は、大会長を初めて薬剤師が務めるということもあり、褥瘡の保存的治療、特に薬物治療やチーム医療にフォーカスを当てたプログラムが企画されていました。「褥瘡のチーム医療を再考する」というシンポジウムでは、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士の先生方の活発なディスカッションが行われており、各職種の役割や強みを相互理解することができた良い機会となりました。また、私は本学術集会における発表「ヘビ毒由来酵素バトロキソビンによる新規創傷ケア看護技術の検討」により「優秀発表賞」を受賞することができ、自身の研究の必要性を再確認することが出来ました。

このテーマには学部の卒業研究時より取り組んでおります。褥瘡などの難治性創傷は患者さんにとって身体的だけでなく、心理的・社会的影響が大きくQOL低下に繋がる疾患です。その難治性創傷への新たな創傷ケアとしてバトロキソビンに着目し、その作用やメカニズムについて解析を進めています。研究の結果、バトロキソビンは皮膚創傷に対し促進的に働く可能性が示唆されました。今後は、そのメカニズムの詳細や臨床応用に向けた研究を進めていきたいと考えています。

最後に、日頃よりご指導いただいております菅野恵美教授、丹野寛大講師をはじめ、研究室の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

看護技術開発学分野HP