令和6年度 研究活動報告(検査)

令和6年8月5日、星陵オーディトリアムとzoomのハイブリッド形式にて東北大学医学部保健学科同窓会総会が開催されました。

第1部の研究活動報告では、東北大学大学院医学系研究科に在籍する大学院生3名による発表が行われました。

こちらのページでは、臨床生理検査学分野 修士2年の赤澤しおりさんの研究活動報告をご紹介します。

 

 

 

臨床生理検査学分野に所属しております、博士前期課程2年の赤澤しおりです。私の研究テーマは「右室肥大心筋の収縮弛緩能におけるMCUの役割」です。

肺高血圧症は、肺動脈圧が上昇する予後不良の難治性疾患で、右心負荷が生じ右心不全を呈します。右心不全への進行は患者の予後を左右します。また、ミトコンドリアカルシウムユニポーター(MCU)は、電子伝達系に必須なカルシウムイオンをミトコンドリア内に取り込む働きがあります。卒業研究でモノクロタリン(MCT)誘発性肺高血圧症モデルマウスを作成し、マウス右心室筋のMCU発現量を見てみると、MCTモデルマウスで増加しており、右室肥大および収縮弛緩能とMCUに関連があると示唆されました。大学院では心筋特異的MCUノックアウトマウスを作製し、心筋特異的MCUノックアウトマウスにおけるミトコンドリアカルシウム取り込みが、心筋収縮弛緩能に与える影響を検討しています。本研究において心筋特異的MCUノックアウトマウスにMCTを投与しても肺高血圧症はきたしておらず、今は肺動脈バンディングにより、右室に直接的に圧負荷をかけることによって、右室肥大モデルを作製し、MCUと心筋収縮弛緩能の関係をさらに検討しています。

2024年3月には、日本循環器学会でも発表を行いました。写真はその時の様子です。

 

臨床生理検査学分野HP