
三浦昌人先生(臨床生理検査学分野)がご退職されますので、ご挨拶を頂戴いたしました。
2004年10月に保健学科へ移動して以来、臨床生理検査学分野において教育・研究・診療に携わり、20年以上にわたり多くの時間を保健学科とともに歩んでまいりました。移動当初は建物も古く、研究室の設備も十分とは言えず、戸惑いを覚えたことを思い出します。しかし、その後の施設改修や教育体制の整備、さらには大学院の設置などを経て、教育・研究環境が着実に充実していく過程を間近に見ることができたことは、大変感慨深いものでした。
臨床生理検査学は、循環・呼吸・神経などの機能を客観的かつ定量的に評価し、診療の質と安全性を支える基盤的な学問領域です。医療技術の進歩や高齢化の進展に伴い、その重要性は近年ますます高まっております。私自身は、心筋の収縮機構やカルシウム動態に関する研究を通じて、基礎的知見を臨床へと還元することを目指してまいりました。その過程において、多くの優れた共同研究者や大学院生に恵まれ、議論を重ねながら研究を発展させることができたことに心より感謝申し上げます。教育の面においては、次世代を担う学生や若手医療人と向き合い、教育とは単に知識を伝えることにとどまらず、人を育てる営みであることを実感してまいりました。彼らがそれぞれの分野で成長し、医療や研究の現場で真摯に取り組んでいる姿に接することは、教員としてこの上ない喜びであり、大きな励みでもありました。近年、日本全体の研究力の低下が指摘される中、東北大学には国際卓越研究大学として、我が国の学術研究を牽引する重要な役割が期待されています。本学がこれからも自由闊達な学風を大切にしつつ、独創的で世界に発信できる研究と質の高い教育を継続し、さらなる飛躍を遂げていくことを心より願っております。
今後は大学を離れ、一歩身を引くことになりますが、これまでに培った経験を糧としながら、微力ではありますが医学・医療の発展に関わり続けていきたいと考えております。これまで長きにわたりご指導とご支援を賜りましたすべての皆様に、改めて深く御礼申し上げますとともに、東北大学の一層の発展と、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。